2018年 06月 25日
アジサイラプソディ 2018 その11
新種のあじさい作りをめざしたい方のための、あじさいをマニアックに種から育てるお話の続きです。
さて、前回のお話はご理解いただけましたでしょうか?植物は生き残りのために様々な工夫を凝らして独自の進化を遂げてきています。でも、あじさいだけはイマイチ理解に苦しむ仕組みなんですよね。ま、長年にわたって人の手で改良された結果、こうなったということならわかる気がしますけど。
えー、では閑話休題。今回は一応あじさいの種の採り方をば。
前回のエントリで書いたように、あじさいの種は花後の両性花に付く小さな緑色の粒のような蒴果(さくか)=実の中に出来ます。その蒴果の中にさらに小さい砂粒のような種がたくさん入っているのです。蒴果は晩秋に熟してそれぞれの部屋ごとに割れますので、それまでは剪定を行わず、11月頃に花首ごと切り取って、小さな種がこぼれないようにそっと紙袋に入れて保管します。
ああ、吹けば飛ぶ。吹けば飛ぶよなちっこいちっこい話ですなあ。(笑)
ところで私の観察によれば、鉢を外に出しておいてもあじさいの自然受粉はなかなかうまくいきません。あじさいには自身の花粉で受粉して実を付ける自家結実性がありません。別品種のあじさいがそばにある場合には、ハチなど昆虫がいれば自然に種ができますが、他のあじさいの花粉が運ばれてくることも考えられますから、狙った通りの交雑にはなりにくいです。ましてや、新種の開発ともなれば、特徴的な両親の確実な掛け合わせが必須条件となりますので、風まかせ虫まかせというわけには参りません。したがって、じゃまになる装飾花を取り除いて室内でセッセと人工受粉させるのが一番よろしいかと。
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surgeon24hrs
at 2018-06-25 06:19
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こんにちは。
紫陽花、奥が深いですね!
なんか苗を買ってきて植える、くらいにしか考えていませんでしたが種から育てることも自分でできるのですね。
以前にどこかで、花の色が土壌のpHによって変わる、と聞いた事があるのですが、本当ですか?
紫陽花、奥が深いですね!
なんか苗を買ってきて植える、くらいにしか考えていませんでしたが種から育てることも自分でできるのですね。
以前にどこかで、花の色が土壌のpHによって変わる、と聞いた事があるのですが、本当ですか?
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border72 at 2018-06-26 21:50
surgeon24hrs さん
そう。あじさいは奥が深いのです。
種から育てることは可能ですが、私は実際にはやったことがありません。
これをやり出したら後戻りできなくなりそうで。(笑)
>花の色が土壌のpHによって変わる
おっしゃるとおりです。
ちょっと講釈しますと、土の中のアルミニウムがアジサイの根に吸収されて、
アントシアニン系色素と結合するかどうかであじさいの花の色は決まります。
酸性土壌ですとアルミニウムが溶け出すので吸収されて青色の花に、アルカリ
土壌ですとアルミニウムは溶け出さないのでピンクの花になるのですね。
そう。あじさいは奥が深いのです。
種から育てることは可能ですが、私は実際にはやったことがありません。
これをやり出したら後戻りできなくなりそうで。(笑)
>花の色が土壌のpHによって変わる
おっしゃるとおりです。
ちょっと講釈しますと、土の中のアルミニウムがアジサイの根に吸収されて、
アントシアニン系色素と結合するかどうかであじさいの花の色は決まります。
酸性土壌ですとアルミニウムが溶け出すので吸収されて青色の花に、アルカリ
土壌ですとアルミニウムは溶け出さないのでピンクの花になるのですね。
by border72
| 2018-06-25 03:28
| 自然
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